【九州電力】燃料調整費とは?2023年どうなる?
本日は、燃料調整費がどれくらい上がっているのかについてお伝えいたします。
燃料調整制度のしくみ
燃料調整制度は、火力燃料費である原油・液化天然ガス・石炭の変動を電気料金に反映するための制度です。
燃料調整費は1か月ごとに変更され、燃料の価格変動が電気料金に反映されるのは、3か月後となります。
7月1日から9月30日の燃料価格の実績は、12月の燃料調整費に影響します。
「基準燃料価格」は、電力会社は発電のためにかかるコストの基準であり、九州電力では、27,400円/キロリットルが設定されています。
3か月間の平均燃料価格>27,400円の場合は、燃料調整単価を電気料金にプラスします。(プラス調整という)
3か月間の平均燃料価格<27,400円の場合は、燃料調整単価を電気料金からマイナスします。(マイナス調整という)
燃料調整単価は以下の計算式より算出されます。
燃料調整単価=3か月の平均燃料価格ー27,400円×基準単価÷1,000
基準単価とは、平均燃料価格が1,000円/キロリットル変動した場合の電気料金への影響額であり、高圧供給は0.130円/kWh、特別高圧供給は、0.128円/kWhと設定されています。
燃料調整費の高騰の背景
日本の一次エネルギー供給構成は、資源エネルギー庁「総合エネルギー統計」によると、石炭は25.1% ,石油は37.6% , LNGは22.9%となっており、化石燃料依存度は85.5%となっています。(2018年度)
日本には、石油・石炭・LNGなどの化石燃料はなく、エネルギー源の大半を海外からの輸入に大きく依存しています。
そのため、「燃料の価格があがるとダイレクトに電気料金が上がる」ようになっています。
そして、現在、新型コロナウイルスで落ち込んだ世界経済の回復やウクライナ情勢の緊迫化で、世界的に石炭や石油などの資源価格が高騰していて、その影響を受けています。
実際に、九州電力の高圧の燃料調整費は下記の通り、7.3円/kWh上昇しています。
九州電力(高圧)の燃料調整単価 | |
2021年12月 | 0.00円/kWh |
2022年6月 | 1.74円/kWh |
2022年12月 | 7.30円/kWH |
1kWhあたり7.3円値上がりすると、電気使用量が同じであっても、ひと月に10万kWhの電気を使用する工場の場合、73万円/月、値上げされます。
前述の通り、燃料調整単価は1kWhあたり定額のため、電気使用量が多い製造業などの場合、燃料調整費が電気代に与える影響は非常に大きくなります。
燃料調整費の推移
昨年より、以下のように燃料調整費が上昇し続けています。
引用:九州電力ホームページより
世界的な資源価格の上昇は今後も続く見通しであり、はやめに燃料調整費の対策をとる必要がございます。
2023年の電気料金の動向
旧一電のほとんどが電気料金の改定を行うことを発表しています。
<北海道電力>
低圧自由料金の燃料費調整制度における上限設定を廃止する。(2022年12月より)
その結果、6円/kWhほど燃料調整単価が上昇する見込み
<東北電力>
低圧自由料金の燃料費調整制度における上限設定を廃止する。(2022年12月より)
その結果、5円/kWhほど燃料調整単価が上昇する見込み。
2022年11月以降、高圧および特別高圧の基本料金と電力量料金に一律加算した単価を適用する。
顧客への実質的な影響は高圧以上で16~18%の値上げ率となる。
<東京電力>
特定小売供給約款を含む全ての低圧の料金メニューの見直しに向けた検討を行う。
2023年4月から高圧および特別高圧の電気料金を改定。
現在の市況を基に試算した場合、値上げ幅は15~20%になる見込み。
<中部電力>
低圧の一部料金メニューの燃料費調整制度における上限設定を廃止する。(2022年12月より)
2023年4月から高圧および特別高圧の標準メニューを値上げする。
現在の市況を基に試算した場合、値上げ幅は7.9〜9.8%になる見込み。
<北陸電力>
2023年4月から料金を改定することを決定
<中国電力>
規制料金を含めた全ての電気料金について、値上げの検討に着手する。
<四国電力>
規制料金の値上げに向けた具体的な検討を開始
低圧自由料金の燃料費調整制度における上限設定を廃止する。(2022年11月より)
低圧の電気料金の値上げ幅31%となることを、経産省に申請中。
各電力会社の財務状況が悪化しているため、高圧および特別高圧の標準電気料金の値上げも具体的に検討が開始されています。
九州電力については、電気料金値上げの情報はありませんが、卸電力市場価格の上昇したことや、原子力発電所の稼働減により燃料費が増加したことなどから2022年度第2四半期業績〔連結〕 について、経常損益が、マイナス778億円と、赤字になっているので、電気料金の値上げの可能性は十分に考えられます。
まだまだ上がる電気代の対策方法とは?
燃料調整単価は、消費者側がコントロールできるものではないので、燃料調整費を抑えるには、電気使用量を削減する必要があります。
例えば、高効率の空調や省エネ設備の導入です。
また、自家消費型太陽光を導入し、発電した電気を自ら使用することで、電力会社から購入する電気の量を減らすことにもつながります。
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