ローカルSDGsについて事例を踏まえて解説 / 太陽光発電のライフソーラー

お役立ちコラム

ローカルSDGsについて事例を踏まえて解説

2022.6.15

脱炭素やESG、環境保護、そして、SDGSや地方創生、地方と未来の環境ビジネスといった分野が何かと期待されています。
その中でも「SDGs」は、毎日、テレビや新聞の記事、雑誌などにて掲載、また、それに準ずるさまざまなセミナー案内やイベントが多く開催され、構想や仕組み、先進事例や実践するための方法、流れなどが発表されています。
また、SDGSをより普及、促進したりするための人材育成・開発の手引き、コンテンツ、プログラムなども提供され、いまの時代を代表する国のプロジェクトのひとつのようにも思います。
今回、表題に挙げました「ローカルSDGS」になりますと、「普通のSDGSと何が違うの?」「目的や概要、内容、ポイントは?」「どのような事例やサービスなどがあるの?」など、あまりご存知のない方や疑問に思う方も多いのではないでしょうか?
本日は、ローカルSDGSについて、目的や概要、そして事例を踏まえ、解説します。

 


■そもそもSDGSとは?

そもそもSDGSとは、持続可能な開発目標(SDGs:Sustainable Development Goals)のことで、エス・ディー・ジーズと発音します。

これは、2001年に策定されたミレニアム開発目標(MDGs)の後継として,2015年9月の国連サミットで加盟国の全会一致で採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」に記載された目標のことで、2030年までに持続可能でよりよい世界を目指す国際目標です。

この目標は、17のゴール・169のターゲットから構成され,地球上の「誰一人取り残さない(leave no one behind)」ことを誓っており、発展途上国のみならず,先進国自身が取り組むユニバーサル(普遍的)なものであり,日本としても積極的に取り組んでいます。

なお、「17のゴール」は以下の一覧のとおりです。

1.貧困をなくそう  2.飢餓をゼロに  3.すべての人に健康と福祉を  4.質の高い教育をみんなに  5.ジェンダー平等を実現しよう  6.安全な水とトイレを世界中に  7.エネルギーをみんなに、そしてクリーンに  8.働きがいも経済成長も  9.産業と技術革新の基盤をつくろう  10.人や国の不平等をなくそう  11.住み続けられるまちづくりを  12.つくる責任、つかう責任  13.気候変動に具体的な対策を  14.海の豊かさを守ろう  15.陸の豊かさも守ろう  16.平和と公正をすべての人に  17.パートナーシップで目標を達成しよう

 

また、「17のゴール」を目指す上で必要なものとして具体的に示されているのが「169のターゲット」です。例えば、「1.貧困をなくそう」のゴールでは、以下のような「ターゲット」が挙げられています。

1.1 2030年までに、現在1日1.25ドル未満で生活する人々と定義されている極度の貧困をあらゆる場所で終わらせる。

1.2 2030年までに、各国定義によるあらゆる次元の貧困状態にある、すべての年齢の男性、女性、子どもの割合を半減させる。

1.3 各国において最低限の基準を含む適切な社会保護制度及び対策を実施し、2030年までに貧困層及び脆弱層に対し十分な保護を達成する。

1.4 2030年までに、貧困層及び脆弱層をはじめ、すべての男性及び女性が、基礎的サービ スへのアクセス、土地及びその他の形態の財産に対する所有権と管理権限、相続財産、 天然資源、適切な新技術、マイクロファイナンスを含む金融サービスに加え、経済的 資源についても平等な権利を持つことができるように確保する。

1.5 2030年までに、貧困層や脆弱な状況にある人々の強靱性(レジリエンス)を構築し、 気候変動に関連する極端な気象現象やその他の経済、社会、環境的ショックや災害に 暴露や脆弱性を軽減する。

 


■ローカルSDGSとは?

ここでは、ローカルSDGSについてご説明します。

地域の環境保全と経済のバランスをとりながら、地域の資源を持続可能な形で賢く活用することを、ローカルSDGs(地域循環共生圏)と呼んでいます。
また、ローカルSDGSは、環境と経済・社会の統合的向上、地域資源を活用したビジネスの創出や生活の質を高める「新しい成長」を実現するための新しい概念です。
これは、各地域が、その地域固有の資源を活かしながら、それぞれの地域特性に応じて異なる資源を持続的に循環させる自立・分散型のエリアを形成するという考え方です。
この「地域循環共生圏」の創造に当たっては、モノのインターネット化(IoT)や人工知能(AI)といった情報技術を駆使することも非常に有用です。

広域にわたって経済社会活動が行われている現代においては、各地域で完全に閉じた経済社会活動を行うことは困難であり、「地域循環共生圏」においても、それぞれの地域が自立しながら多様性を生かしつつ、互いにつながることが重要かつ課題です。
また、経済社会システムやライフスタイル、そして、技術や情報などといった様々な観点からイノベーションを創出し、それぞれの地域の特性に応じて近隣地域等と共生・対流し、より広域的なネットワーク(自然的なつながり(森・里・川・海の連環)や経済的つながり(人、企業、資金等))をパートナーシップにより構築していくことで、地域資源を補完し支え合うことが必要とも言われています。

 


■ローカルSDGsの取り組み事例

環境省のHPにて紹介されているローカルSDGSの取り組み事例は次の通りです。

活動団体名:活動概要

事例1 北九州市:北九州エコタウンを核とした資源とエネルギーの地域循環

事例2 熊本市:災害に強い自立・分散型のエネルギーシステムの構築

事例3 富山市:LRTネットワークと自立分散型エネルギーマネジメントの融合によるコンパクトシティの深化

事例4 滋賀県東近江市:地域資源を活用したコミュニティビジネスを支援する「東近江三方よし基金」

事例5 神奈川県:行政をまたぐ流域を対象とした水源環境の保全・再生に向けた取組

事例6 横浜市:Zero Carbon Yokohamaの実現に向けた、再生可能エネルギーに関する自治体連携

事例7 鹿児島県大崎町:リサイクル日本一から世界標準へ

事例8 埼玉県小川町:有機農業による持続可能な地域づくり

事例9 岐阜県:人の生活・水環境・漁業資源が連環する里川のシステム「長良川システム」

事例10 北海道下川町:持続可能な森林経営を基盤とした地域再生

事例11 兵庫県豊岡市:生き物を育む農業とエコツーリズムを通じてコウノトリと共生するまち

事例12 浜松市:再生可能エネルギーの導入、天竜美林の6次産業化など地域資源のフル活用

事例13 鳥取県米子市:電力の新たなバリューチェーンを地域内で構築し、地域を活性化

事例14 長野県:地域の再生可能エネルギーの最大限の活用による地域活性化

事例15 宮城県漁業協同組合:南三陸を海から動かす 持続可能な養殖で復興を

このように全国の複数の地方公共団体で多様なローカルSDGSの取組み事例があり、社会的にその概念などが浸透し、活かされているのがわかります。

 


■太陽光発電を活用したローカルSDGs事例

最後に、太陽光発電を活用したローカルSDGS事例をご紹介します。
ここでも、環境省のHPから抜粋し、ご紹介します。

【営農型太陽光発電設備】
事例1.営農型太陽光発電×トマト栽培施設への電力供給
 ・事業実施主体は、株式会社サンフレッシュ小泉農園(宮城県気仙沼市)
 ・発電出力は200kW
 ・下部農地面積は22aで、ばれいしょを栽培しており遮光率は68.5%
 ・大規模なトマトの施設栽培を行っていた同社では、重油や電気代の圧縮を目指し、隣接する未利用農地における営農型太陽光発電を実施。
 ・発電した電気はハウス内の暖房等に利用され、年間600万円ほどの電気代削減につながる。
 ・高所作業台車の充電を昼間に変え、経費削減のために使用を控えていた出荷棟の空調設備も稼働させる等、職員の健康管理にも寄与。

事例2.営農型太陽光発電×災害時の非常用電源としての活用
 ・事業実施主体は市民エネルギーちば株式会社(千葉県匝瑳市)
 ・発電出力は35kW
 ・下部農地面積は6aで、大豆を栽培、遮光率は33%
 ・同社は今までにも、地域主導で環境に配慮した市民発電所作りを展開。
 ・令和元年度9月の台風の影響で停電が続く中、自立運転が可能であった同社の発電所では、携帯電話等の無料充電所を開設。
 ・今後は市や地域の自治組織と協定を結ぶ等、非常時の地域への給電体制を整え、周知していく。

以上

 


 

いかがでしたか?

太陽光発電の設置や整備は、ローカルSDGs(地域循環共生圏)に効果があることや役立つことも確認されますし、これからますます提唱される予感さえしますね。
ぜひ、皆様も個人や事業者として「ローカルSDGS」の参画とあわせて、それを支える自家消費型太陽光発電の導入もご検討ください。

最後までお読みいただきありがとうございました。